2017年06月22日
【無期転換対策】企業の対策の進め方(その③) 有期契約社員の実態調査を急ぎましょう
無期転換対策の第一歩は、有期契約社員の実態調査です。これは急ぎます。
有期契約社員とは通常の正社員以外の社員です。パート社員・アルバイト社員・契約社員・臨時社員・期間社員・嘱託社員等々会社によって有期契約社員の呼び方はまちまちです。契約期間も1年、半年、2カ月等様々です。
重要なことは、現在雇用している全ての有期契約社員を調査の対象にすることです。
複数の事業所がある会社の場合は、その全ての事業所の有期契約社員を調査することになります。全国展開している会社も同様です。
会社によっては、有期契約社員の採用は各事業所に任せて、本社は関与していないケースが多いと思われます。場合によっては事業所の中の部署や課、研究室やプロジェクトチームで独自に採用しているケースもあり得ます。
これらの全ての有期契約社員の情報を、全ての事業所から本社に集めます。該当社員の雇用契約書、労働条件通知書、過去の雇用履歴も取り寄せます。事業所毎に有期契約社員の就業規則が違っている場合はそれも取り寄せます。そしてその各々の内容をチェックします(労働条件がバラバラであるなら、その実態を把握します)。
データや資料が集まったら全有期契約社員の通算期間管理リストを以下の要領で作ります。
一人一人の勤務期間を通算します。他の事業所から転勤してきた場合は、転勤前の事業所での勤務期間を確認して通算します。以前に他の事業所に勤務したことがないかも確認します。無期転換の期間通算は会社単位だからです。事業所単位ではありません。だから本社で全ての情報を集めて一括して整理し把握する必要があるわけです。期間を通算する場合は、クーリング期間、端日数の処理に注意します。
管理リストから一人一人の無期転換申込権発生日(○年〇月○日)を予測します。どこの事業所の誰がいつ無期転換申込権が発生し、申込をする可能性があるかどうかを予想します。該当者が必ず無期転換の申込みをするとは限りません。個人の事情により申込をしない方もいます。しかし、いずれの場合も本人に確認する時期が必ず来ます。
今後は有期契約社員の労働条件、勤務期間管理は各事業所任せではなく本社等で統一した内容で一元管理する必要があります。採用時も過去の自社での勤務歴の有無を確認します。自事業所だけではなく他事業所での勤務期間の有無も確認します。クーリング期間に該当しなければ過去の期間が通算される可能性があるからです。このチェックは重要です。場合により採用時期を延期することも必要になるかもしれません。
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