【メンタルヘルス・復職支援】リワークプログラムの活用をお勧めします

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2021年07月14日

【メンタルヘルス・復職支援】リワークプログラムの活用をお勧めします

 

精神疾患で休職中の従業員の復職後の再発防止による円滑な就労継続をめざすために、復職前のリワークプログラムの利用をお勧めします

 

●増え続ける精神疾患

精神疾患の患者数は年々増え続けています。日本うつ病学会では、新型コロナウイルス感染への恐怖、他者に感染させる不安、経済的な困窮、制限や自粛への怒り、孤立感、社会的な役割の喪失、自分自身への無力感等のストレス要因から、その数は今後も増えていく可能性があると指摘しています。

 

すでに多くの企業では、精神疾患により従業員が休職した場合の対策を講じられているところかと思いますが、改めて、自社の制度や運用について見直しておくことが必要です。

 

●リワークプログラムの利用が有効

休職した従業員の職場復帰に際しては、復職前にリワークプログラム(復職支援プログラム/職場復帰支援プログラム)を経るのが有効です。

リワークプログラムを利用した群と利用しなかった群について、復職後の就労継続率を比較したところ、復職後1,000日時点で、利用した群の継続率が7割弱だった一方、利用しなかった群は2割弱だったという調査結果があります。また、プログラムを利用した人と比較して、非利用者の再休職のリスクは1.89倍とのことです。休職していて復職を考え始めた従業員には、リワークプログラムの利用を検討してみましょう。

 

●注目される医療機関による「医療リワーク」

昨今注目されているのは、精神科医療機関等で実施している「医療リワークプログラム」です。復職後の再燃・再発による再休職を予防するために、働き続けるために病状の回復と安定を目指した「治療」の一環として行われるものです。治療ですから診療報酬での枠組みで、医師や看護師、精神保健福祉士、作業療法士、心理職など多職種の医療専門職による医学的リハビリテーションとして実施されます。プログラムを受けるためには主治医の変更が必要な場合や対象とする精神疾患に制限があるなど、制約があることもありますが、復職後の精神疾患の再発予防に有効とされています。上手に活用して、スムーズな復職とその後の就労継続につなげたいものです。