【個別労働紛争】都道府県労働局長からの「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」事例のご案内(その3千葉労働局)

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2021年07月19日

【個別労働紛争】都道府県労働局長からの「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」事例のご案内(その3千葉労働局)

ふさぎ込む人のイラスト(男性会社員)

個別労働紛争解決制度は、個々の労働者と事業主との間の労働条件や職場環境などをめぐるトラブルを未然に防止し、早期に解決を図るための制度で、「総合労働相談」、都道府県労働局長による「助言・指導」、紛争調整委員会による「あっせん」の3つの方法があります。

 

このうち千葉労働局が公表している事例を以下でご紹介します。当事務所はあっせん代理人をすることができます

 

事例1(退職勧奨)労働局長からの助言の結果、事業主が退職勧奨を撤回することになった事例
【事案の概要】
申出人は、トラック運転手として勤務していたところ、新型コロナウイルス感染症の影響で、業務が激減したことにより、退職勧奨を受けたことから、雇用を継続するための話合いを行いたいとして、助言・指導を申出たもの。
【助言・指導の内容・結果】
事業主に対し、退職勧奨に応じるか否かは対象とされた労働者の自由な意思に委ねられるべきとされていることを説明し、申出人とよく話し合うよう助言した結果、紛争当事者間で話し合いが行われ、退職勧奨は撤回され、従来どおり働くことになった。

 

事例2(採用内定取消)労働局長からの助言の結果、申出人に対し補償金が支払われた事例
【事案の概要】
申出人は、歯科衛生士として、採用内定を受けたが、諸事情により採用内定が取り消されたため、内定取消の撤回を求めるための話合いを行いたいとして、助言・指導を申出たもの。
【助言・指導の内容・結果】
事業主に対し、採用内定取消は、客観的な合理性を欠き社会通念上相当であると認められない場合には無効になる可能性があることを説明した上で、申出人とよく話し合うよう助言した結果、紛争当事者間で話し合いが行われ、内定取消は撤回しないが、補償金として申出人に解決金が支払われることになった。

 

事例3 紛争調整委員会による『あっせん』の事例 (解雇)試用期間中に、申請人を解雇した事業主が、あっせんの結果、申請人に対して解決金を支払うこととなった事例 

【事案の概要】

申請人の主張によると、派遣労働者として勤務していたが、新型コロナウイルス感染症の感染を疑われ、入社後 1 週間で即時解雇になったとのこと。事業主から、試用期間 2 週間以内の解雇であるため、解雇予告手当を支払わない旨の説明があったが、経済的損害に対し、補償金の支払いを求めたいとして、あっせんを申請したもの。
【あっせんのポイント・結果】
あっせん委員が被申請人の主張を確認したところ、申請人の無断欠勤が解雇理由であり、かつ、解雇手続きに問題がないとし金銭の支払いを拒否した。
これを受けて、あっせん委員が迅速な解決に向け双方譲歩可能な解決策を調整した結果、解決金を支払うことで合意した。

 

ご参考 千葉労働局 「令和2年度個別労働関係紛争解決制度の施行状況」