【新型コロナ対策】新型コロナウイルスワクチンを接種していない労働者を、人と接することのない業務に配置転換することはできるか

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2021年09月30日

【新型コロナ対策】新型コロナウイルスワクチンを接種していない労働者を、人と接することのない業務に配置転換することはできるか

コロナウイルスのワクチンのイラスト

一般に、個別契約または就業規則等において業務上の都合により労働者に転勤や配置転換を命ずることができる旨の定めがある場合には、企業は労働者の同意なく配置転換を命じることができます。しかし、その場合でも配置転換は無制限に認められるわけではなく、不当な動機・目的がある場合や、配置転換の業務上の必要性と、その命令がもたらす労働者の不利益とを比較衡量した結果として、配置転換命令が権利濫用に当たると判断される場合もあります。

 

新型コロナウイルスの感染防止のために配置転換をするにあたっては、その目的、業務上の必要性、労働者への不利益の程度に加え、配置転換以外の感染防止対策で代替可能か否かについて慎重な検討を行うとともに、配置転換について労働者の理解を深めることに努める必要があります。

なお、労働者の勤務地や職種を限定する合意がある場合に、その限定の範囲を超えて配置転換を行う場合は、労働者の自由な意思に基づく同意が必要であることにも留意する必要があります。

 

また、優越的な関係を背景として配置転換の同意を強要等した場合、職場でのパワーハラスメントに該当する可能性があります。事業主は、パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置が義務付けられていますので、労働者から配置転換の同意を得る際は、パワーハラスメントが生じないよう留意する必要があります。

 

その他の企業向けの新型コロナウイルスに関するQ&Aは、以下をご覧ください。

新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)(9月28日時点版