【労働基準関係法令違反】長時間労働が疑われる事業場に対する労働基準監督署の監督指導事例のご紹介(その3)

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2021年08月26日

【労働基準関係法令違反】長時間労働が疑われる事業場に対する労働基準監督署の監督指導事例のご紹介(その3)

労働基準監督署のイラスト

厚生労働省が、8月20日、長時間労働が疑われる事業場に対する令和2年度の監督指導結果を公表しました。

 

その中から、労働基準監督署による監督指導事例をご紹介します。

 

業種 ビルメンテナンス業

1.各種情報から時間外・休日労働時間数が1か月当たり80時間を超えていると考えられる中小企業の事業場に対し、立入調査を実施

2.労働者5名について、1か月100時間を超える時間外・休日労働(最長:月約190時間)が認められた。36協定を確認したところ、締結当事者である労働者代表を会社が指名しており、民主的な手続により選出されていなかったことから、指導を実施

3.年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対し、1年以内に5日間以上の年次有給休暇を時季を指定して取得させていなかったことから、指導を実施

 

立入調査において把握した事実

1.労働者5名について、1か月100時間を超える時間外・休日労働(最長:月約190時間)が認められた。36協定を確認したところ、締結当事者である労働者代表を会社が指名しており、民主的な手続により選出されていなかった。

2.年次有給休暇が10日以上付与される労働者に対し、1年以内に5日間以上の年次有給休暇を時季を指定して取得させていなかった。

 

1.に対する労働基準監督署の対応

①36協定の締結当事者の要件を満たさず、36協定が無効であるにもかかわらず、時間外労働を⾏わせたことについて是正勧告(労働基準法第32条違反)

②時間外・休日労働を月80時間以内とするための具体的な方策を検討・実施するよう指導

 

2.に対する労働基準監督署の対応

①年5日以上の年次有給休暇を取得させていないことについて是正勧告(労働基準法第39条第7項違反)

 

ご参考

36協定の締結の当事者

年5日の年次有給休暇の確実な取得