【求人・採用】採用面接時に、就職差別につながるおそれがある不適切な質問事例のご紹介

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2021年08月29日

【求人・採用】採用面接時に、就職差別につながるおそれがある不適切な質問事例のご紹介

面接のイラスト「就職活動中の女性」

採用面接時に、応募者の適性・能力とは関係のない事項を質問するなどの就職差別につながるおそれがある不合理な採用選考が後を絶たないようです

 

大阪労働局が公表しているハローワークが指導した事例をご紹介します

 

事例1 採用面接時に、次のような質問を受けた

①会社:何でこの会社を受けたの
 生徒:貴社の製品が好きですので
 会社:学校で言われた通り言わなくていい
 生徒:いえ、本当にグッズが好きなんです
 会社:それやったら、○○や△△(遊園地)で働けばいいやろ
 生徒:・・・

 

②会社:職場見てきたか
 生徒:まだです
 会社:女やったら、運動神経なかったら、怪我してしまうぞ

 

③会社:女、採用してもええけど、すぐやめるやろ
 生徒:やめません
 会社:自分、すぐ投げ出すやろ
 生徒:そんなことはないです。女の人が働いていたことはあったんですか
 会社:泣いてすぐやめる。男ばっかりの中に女一人で大丈夫か
 生徒:はい。若い男の人もいるんですよね
 会社:去年も若い男入っているし、男が好きやったら、やっていけるんちがう、変な言い方やけども

 

事例2 面接試験の前にアンケート用紙を渡された。アンケート用紙には、「携帯電話番号」、「家族の関係」、「父母の有無」、「兄弟の人数・学年」などを記入する項目があった

 

事例3 採用面接時に、次のような質問を受けた

  会社:自宅は、○○市のどのへんですか。家の近くには、何がありますか
  生徒:○○公園の近くです
  会社:通勤が不便だけど大丈夫ですか
この事例は、会社は通勤方法について尋ねようとしていますが、結果として住居環境について尋ねていることとなっています

 

事例4 採用面接時に、「ご両親はおられますか」「自営業ですか」「兄弟はいますか」「どのあたりに住んでいますか」「家は持ち家ですか」「いつから住んでいますか」などの質問を受けた
また、求人票の選考方法には「一般常識と面接」とありながら作文が実施され、作文題名も「私の家族」というものであった

 

事例5 面接が始まると、「聞いたらあかん質問ってどんなことかな」「学校からどう聞いてる」「これから君のことをもっと知りたいので、違反質問するかもしれないけどいいかな」と言われた
その後の面接で、家族の職業、兄弟の有無などを質問された

 

事例6 採用面接時に、次のような質問を受けた

  会社:女の人がお茶くみや掃除をするのをするのをどう思いますか
  生徒:やれる人がやれば良いと思います
  会社:私は、男性より女性にやってもらいたいなあ
  生徒:じゃあ、喜んでお出しします
  会社:人付き合いは得意な方ですか。彼氏はいますか
  生徒:・・・

 

これらは、ハローワークの指導の対象となった面接でのやり取りの一部を再現したものですが、こうした質問は応募者の人権を侵害するものです。

 

また、面接時以外にも、求人開拓のため訪問した学校の先生に対し、「外国籍の生徒を採用はするが、日本名で働いてもらう」といった事例や、採用内定後、応募者の自宅を見に行き、家業について質問した事例もあったようです。

企業は、本人に責任のない事柄や本来自由であるべきものを採用条件とすることは、応募者の基本的人権を侵害するということを理解して、差別のない公正な採用選考の実施をする必要があります。

 

上記以外の就職差別につながるおそれのある不適切な質問については就職差別につながるおそれのある不適切な質問の例』をご覧ください。