【労働局による助言・あっせん・調停】労働局の紛争調整委員会による助言・あっせん・調停の事例をご紹介します (大阪労働局 その1)

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2021年08月30日

【労働局による助言・あっせん・調停】労働局の紛争調整委員会による助言・あっせん・調停の事例をご紹介します (大阪労働局 その1)

解雇・リストラのイラスト

大阪労働局が、令和2年度の個別労働紛争解決制度の運用状況等を公表しました。

 

その中から、あっせんの事例をご紹介します。

 

事例 1  解雇に関するあっせん
事案の概要 

申請人は、製造業にて正社員の技術営業として5年程度勤務していたが、長期の無断欠勤を理由に解雇された。突然の解雇及びその理由に納得ができない。ついては、復職と解雇日以降の賃金相当額の支払いを求めたい。それができないのであれば、経済的、精神的損害に対する補償として、定年までの賃金相当額及び定年退職における退職金相当額の計○○○○万円の支払いを求めたいとして、あっせん申請がなされた

 

あっせんの内容・結果
あっせん委員の調整の結果、被申請人が解雇を撤回し、離職理由を会社都合による退職勧奨とすること及び被申請人に対し、解決金として○○○万円を支払うことで合意した

 

事例 2  雇止めに関するあっせん
事案の概要

申請人は、派遣労働者として、同一の派遣先で契約を更新してきたが、次期更新に関して、更新しない旨の打診及び派遣登録の抹消の告知を受けた。当初、登録抹消の取消し、復職を望んでいたものの、賃金1か月分と未消化の年次有給休暇の賃金相当額を求めたいとして、あっせん申請がなされた

 

あっせんの内容・結果
被申請人は契約不更新の理由を申請者の不正行為と申し立てたが、あっせん委員の調整の結果、解決金として○○万円(申請人が求めた金額の約8割)を支払うことで合意した

 

事例 3  いじめ・嫌がらせに関するあっせん
事案の概要

申請人は、正社員として、保育園にて保育業務に従事していたが、行事の際、リーダーとの意思疎通がうまくいかなかった。その後、リーダーから日常面でも仕事面でも無視が始まり、精神的に辛くなり、数日、休むこととなった。園長を含めた話合いを持ったが、何も変わらず、症状が悪化し、休職後、退職することとなった。退職日直後に支給予定であった賞与及び上記による精神的・経済的損害に対する補償金として○○万円の支払いを求めたいとして、あっせん申請がなされたもの

 

あっせんの内容・結果
あっせん委員の調整の結果、被申請人は、申請人に対し退職を強要した事実はないと申し立てたが、あっせん委員より、職場の安全配慮義務等の判例を教示し、調整した結果、被申請人が申請人に対して、解決金として、○○万円(申請人の求めた金額の約3割)を支払うことで合意した

 

事例 4 労働条件引下げに関するあっせん
事案の概要

申請人は、食品製造業にて、1年の有期労働契約を反復更新し就労していたが、次期契約内容に同意できずに更新を断念し、退職した。
次期の契約内容は、1日の労働時間がこれまでの半分というものであった。その理由は、申請人の身体状態に配慮し、労働災害のリスク軽減のためというものであったが、これまでそのようなことを言われたことはない。不利益な条件提示による経済的、精神的損害に対する補償金として、○○万円の支払いを求めてあっせん申請がなされたもの

 

あっせんの内容・結果
被申請人は辞めさせるつもりは一切なかったと申し立てたが、あっせん委員より、労働契約法第 8 条(労働契約の変更時の合意の原則)等を説明し、調整を行った結果、話し合いが不十分であったことを認め、被申請人が申請人に対し、解決金として○○万円(申請人の求めた額の約9割)を支払うことで合意した

 

 

あっせんの内容については『個別労働紛争解決制度(労働相談、助言・指導、あっせん)』をご覧ください。

 

当事務所はあっせんの代理人ができます。使用者・労働者のいずれの代理人もしています。お困り事がありましたらご相談ください。