【労働局による助言・あっせん・調停】労働局・紛争調整委員会による助言・あっせん・調停の事例をご紹介します (大阪労働局 その2)

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2021年09月14日

【労働局 あっせん】労働局・紛争調整委員会による助言・あっせん・調停の事例をご紹介します (大阪労働局 その2)

 

大阪労働局が、令和2年度の個別労働紛争解決制度の運用状況等を公表しました。

その中から、助言の事例をご紹介します。

 

事例 1 解雇に係る助言

事案の概要 

申出人は、医療機関に入社し、看護業務に従事していたところ、試用期間中に能力不足を理由に解雇となった。

試用期間中に充分な教育等を受けていない段階で、一方的に能力不足との評価を受け、解雇されることに納得が行かず、解雇の撤回を求めて、助言を申し出た。

 

助言の内容・結果

被申出人に対し、申出人の意向を伝え、話し合いによる解決を促したところ、話し合いが行われ、解雇を撤回し、申出人を正式採用することに至り、解決に至った。

 

事例 2 退職勧奨に係る助言

事案の概要

申出人は、製造業の事業場にて、正社員の営業職として勤務していた。勤務態度等を理由に執拗に退職届の提出を求められ、退職勧奨を受けている。金銭補償等の退職の条件が合えば、退職勧奨に応じても良いと考えているが、退職の条件についての話し合いの場を設けてくれない。労使間で事業主と金銭補償等の話し合いを行いたいとして助言・指導を申し出た。

 

助言の内容・結果

被申出人に対し、退職の条件について話し合いを行いたいとの申出人の意向を伝えたところ、話し合いが行われ、申出人は事業主より1か月分賃金相当の金銭補償を受け、退職勧奨に応じることで解決に至った。

 

事例 3  いじめ・嫌がらせに係る助言

事案の概要

申出人は卸売業の事業場にて、短時間労働者として商品の出荷担当の仕事をしていた。何度か出荷作業のミスをしたことを契機に、その後、出勤しても本来の出荷作業をさせてもらえなくなった。申出人は、出荷作業をさせてもらえないことを会社からの嫌がらせと感じており、また、会社が申出人を退職させようとしていると感じている。直属の上司に相談したが改善されないため、事業主と話し合いをしたいとして助言を申し出た。

 

助言の内容・結果 

被申出人に、仕事を与えない行為(過小な要求)はパワーハラスメントに該当することもあることを説明し、申出人が話し合いをしたいとの意向を伝えたところ、労使間の話し合いがなされ、申出人が本来の出荷作業に従事できるよう改善され、解決に至った。

 

事例 4 労働条件引下げに関する助言

事案の概要

申出人は医療機関にて、短時間労働者として勤務していた。週 5 日勤務を労働条件として勤務していたところ、業務縮小等の理由から週 3日勤務に労働条件の変更が行われた。その後、さらに、同理由で所定労働時間を短縮する内容の労働条件の変更を告げられた。勤務日数の削減を内容とする労働条件の変更は合意したが、所定労働時間の短くする変更には合意していない。時間給で就労しており、所定労働時間が短くなることにより賃金額が減少するため、一方的な労働条件の引下げに納得が行かない。従前どおりの所定労働時間で就労が出来るよう話し合いを求め、助言を申し出た。

 

助言の内容・結果

被申出人に対し、申出人が所定労働時間の短縮に納得していないことを伝え、労働条件の変更は労使の合意により行うことが出来るという労働契約法第 8条の合意の原則を説明したうえで、話し合いの解決を促したところ、話し合いが行われ、所定労働時間の短縮が撤回され、従前どおりの所定労働時間にて申出人を就労させることとなり、解決に至った。

 

 

助言の内容については『個別労働紛争解決制度(労働相談、助言・指導、あっせん)』をご覧ください。