【外国人技能実習生】技能実習生の実習実施者に対する労働基準監督署等による監督指導・送検等の事例のご紹介(その2)

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2021年09月10日

【外国人技能実習生】技能実習生の実習実施者に対する労働基準監督署等による監督指導・送検等の事例のご紹介(その2)

労働基準監督署のイラスト

8月27日、厚生労働省が、全国の労働局や労働基準監督署が令和2年に外国人技能実習生(以下「技能実習生」)の実習実施者(技能実習生が在籍している事業場)に対して行った監督指導や送検等の状況を公表しました。

 

その中から、技能実習生の実習実施者に対する監督指導・送検・申告等の事例をご紹介します。

 

【申告事例】

 

【事例1】「労働時間が短く集計されている」との申告があったもの

概 要   

縫製業の事業場で働く技能実習生から「労働時間が短く集計されている」との申告がなされた。所轄労基署が調査を実施したところ、始業前の20分間に清掃を行わせていたにもかかわらず、この時間を労働時間として算入していない状況が認められた。

 

指導内容 始業前の清掃時間であっても使用者の指揮命令下にある時間は労働時間であることを説明した上で、支払われていない割増賃金を計算し支払わなければならないことを是正勧告した。

指導事項 労働基準法第37条第1項違反(割増賃金の支払)

指導の結果 技能実習生2名に対して、入社以来支払われていなかった割増賃金の不足額、約10万円が支払われた。

 

【事例2】 事前の説明にないものについて賃金控除されている。また、残業代が払われていない」との申告があったもの

概 要 

建設業の事業場で働く技能実習生から「事前に説明されていない内容で賃金控除されている。残業代が払われていない」との申告がなされた。所轄労基署が調査を実施したところ、①Wi-Fi代、使用者が立て替えて支払った治療費等賃金控除協定に記載のない費用が賃金から控除されて支払われている、②時間外労働に対する割増賃金が支払われていない状況が認められた。

 

指導内容1 法令と賃金控除協定に記載されたもの以外を賃金から控除することはできず、また、違法に控除していた金員を支払わなければならないことを是正勧告した。

指導事項 労働基準法第24条第1項違反(賃金の支払)最低賃金法第4条第1項(最低賃金の効力) 

指導内容2  法定の割増率(時間外労働は25%)以上で割増賃金を計算し、不足額を支払わなければならないことを是正勧告した。

指導事項 労働基準法第37条第1項違反(割増賃金の支払)

指導の結果 技能実習生2名に対して、支払われていない定期賃金及び割増賃金の不足額、総額約5万円が支払われた。

 

 

その他の情報に関しては『外国人技能実習生の実習実施者に対する令和2年の監督指導、送検等の状況を公表します』をご覧ください。